英語を勉強しているけどリスニングが苦手、そんな方の為に

2種類のリスニング

リスニングには2つの種類があります。ひとつは、一方的に聞き取るタイプのリスニングです。
誰かが話、それを一方的に聞き理解するというものです。主に日本語の口語体にあたる言葉のリスニングです。

もうひとつは、会話時に必要となるリスニングです。双方向的にやりとりするものです。
主に日本語で言う文語体で話されることが多いでしょう。
いずれも、国語である日本語においては日常気にせずに2種類のリスニングを行っています。

この2種類のリスニングは内容が大きく異なるものですので、それぞれ学習方法が違ってきます。
初級編では基本的事項と必要となる考え方について説明します。中級編で一方的に聞き取るタイプのリスニングの学習方法について説明し、上級編では後者についてご紹介します。

音とリズムが大事

英語ならではの音とリズムを身につけることができなければいつまでたっても英語を聞いて、頭の中で返答する日本語を考えて、その日本語を英語に訳してみて、それを口に出す、ということになりかねません。多くの日本人が英語を話せない理由は頭でそのようなことを考えているからです。

英会話の途中で聞いた英語を日本語訳→回答を日本語で作成→日本語を英語に翻訳→英語で発言という一連の流れをしている間に、会話は次の話題に移ってしまっていることでしょう。

ネイティブから見て日本人はおとなしい、無口だと思われがちな理由は、本当は話したいのだけれども考えているうちに話せなくなって話題についていけない日本人が多いからでしょう。

逆にほかのノンネイティブの外国人の場合、英語はほとんど話せなくても、わかっている範囲の英語だけでも自信をもって話し、また相手の話は理解していなくても自分が話したいことを話すこともよくあるので会話がなりたってしまう、ということも見受けられます。

学習スタイルを考える

さて、今回はリスニングについて、初級編・中級編・上級編とくぎってご紹介していきます。

リスニング能力は英会話学習をするにあたってすべての根源となるパートです。聞いて理解することができなければ日常的に英語を使いこなすことはできません。
本章では、心理学の考え方と論理的思考の考え方、VAKシステムとロジカルツリーという2つの考え方について説明します。
リスニングの学習法の説明に入る前に、自分自身にどのような学習方法があっているのかをみるため、そのうちひとつの考え方をご紹介します。

自分がどんな学習方法に向いているか理解するために

VAKモデルを活用する

NLP (神経言語プログラミング -Linguistic Programming)という心理学の考え方があります。これは、ジョン・グリンダーという言語学者とリチャード・バンドラーが提唱した、心理学と言語学を組み合わせたコミュニケーション・考え方の理論です。そのNLPの考え方の中枢にVAKシステムというものがあります。
人間には主に、視覚 (Visual)、聴覚 (Auditory)、体感覚 (Kinesthetic)の3つの感覚があるといわれています。これをVAKモデルともいい、ひとはそれぞれ視覚(V)、聴覚(A)、体感覚(K)の3つの感覚の割合が違うというものです。あるひとは視覚の感覚が敏感で逆に聴覚や体感覚が鈍感であったり、あるひとは、体感覚がとても敏感で次に聴覚が敏感で視覚はそれほどであったり。頭の中で物事を理解するときにどの感覚を主に使うかということです。
この視覚(V)、聴覚(A)、体感覚(K)のどれが自分にとって一番敏感なところかをしることは、学習するスタイルを決めるときにも大切なことです。
視覚(V)が強い人は、目で見る視覚情報を取り扱うことが得意で、聴覚(A)が敏感な人は耳を通して学習することが効率よく学習する方法であり、体感覚(K)の感覚が強い人は体を動かしたり動いたり実際に触れたりしながら学ぶことにむいています。ものごとを頭の中で理解するときあなたはどう表現しますか?

1、視覚(V)優位の方

~のように見える、~の話が見えない、明るい、など視覚をベースとした表現をする傾向があります。ものごとを考えるときに、視覚のイメージを持ちながら考えるため、一般的に目を上の方に向けながら話すことが多いと言われています。
学習する際は、写真や映像、チャート図やグラフ・図形、文字など視覚化された情報に触れると理解度が高まります。できるだけ目を使ってみる学習方法を主体に学習することを心がけましょう。

2、聴覚(A)優位の方

~のように聞こえる、擬音など音、聴覚を使った表現をする傾向があります。このタイプの人は、人と対話しているときに聴覚情報にアクセスするため、目は左右に動かすことがよくみかけられるといわれています。
学習する際は、録音テープや、学習用のCD・音声、講義形式で聞くことや音楽など聴覚経由で入ってくる学習方法を主体にすると理解が早まります。できるだけ耳を使ってきくことを中心に学習します。今回のパートであるリスニング上達に一番向いている方がこの聴覚優位の方たちです。

3、体感覚(K)優位の方

~のように感じる、ボディランゲージなど体感覚を使った表現をする傾向があります。相手と話すとき少し目を下げている視線をすることがままあります。学習の際には、体を動かすことや、実際の練習(ロールプレイ)、手を動かして書く、など、体を使った学習手法をおこなうと学習効果が高まります。読まれた文章を筆記するディクテーション(dictation)を行うことや、文章の書き写しをして学習することも効率的な方法です。

これらの3つのどのタイプが強いか診断してくれるサイトがあるので気になる方はチェックされてみてはいかがでしょうか。質問項目にこたえていくと、診断結果として3つのタイプそれぞれ自分が普通なのか敏感なのか、それぞれが点数で出てきて、詳しい解説が紹介されます。

NLP 脳診断
http://brain.sinritest.com/NLPvak.htm

適した学習方法を知ることから始まる

基本的に英語を学習する際は、3つの感覚それぞれに学習をする必要があります。多くの日本人が英語を断念する理由のひとつに、「自分にあっていない学習方法、勉強スタイルを選んで勉強を始めてしまうこと」が挙げられます。
VAKモデルの3つの感覚のうち、自分が敏感な感覚がどれなのか把握し、それに適した学習方法を最初に選ぶことが肝心です。まずその自分の感覚にあった学習方法で英語に慣れ、英語の基礎を身につけ、ある程度のレベルになってなじんできたところで、その他の感覚に適した学習方法も追加していく、というのが無理のない学習方法です。
リスニング能力を高めたいと思っている方でも、聴覚の感覚が弱ければなかなか学習の効果が得られにくいことが多いでしょう。もし学校の勉強とは別に本格的に英語学習をはじめようと思う方で、聴覚や体感覚が強い方であれば、リスニング以外の学習から始めた方が効率的になることもあるでしょう。

こういった形で、ざっくりした夢(いつか○○したい、いつかこうなったらいいのに)を、目標として捉えなおす作業が必要です。きちんと目標設定しておかなければ、挫折することも多くなってしまいます。今度こそ英会話を身につけたいと思う方はスマートの法則にのっとった目標を設定しましょう。

論理的思考:ものごとを分解して考える癖を持つ

リスニングの勉強に入る前に、資格や英語を学習するために参考になる考え方をご紹介します。ロジックツリーという考え方があります。
ビジネス上使われる内容ですが、英語などの学習法にも応用できます。ロジックツリーとは、物事を分析する際に、その考えを分解しツリーの形に記載して表現する図です。上位概念は大きな考え方を置き、その下に考え方やアイデアを分解するように並べていきます。
同じ列には同じレベルの概念を並べ、それぞれ下の階層に掘り下げて展開して考えていきます。項目それぞれにもれなくダブりなく論理展開することがポイントです。

ロジックツリーを使うメリットは、全体像を把握しやすいことにあります。
よくありがちなのが、英語を勉強しよう、それならまず英文法のテキストを購入して文法を覚えよう、それにCDを聞いて耳から英語も覚えよう、そうこうしているうちにもっとあれもしなければこれもしなければと次々にいろいろな学習に取りかかり、結局自分がなにをしているのかわからず迷ってしまっている状態になってしまうことです。全体図、地図を持たずに探検するようなものです。まず全体の地図を見ること、俯瞰して全体像を見ることが大事です。そのうえで自分に何が足りないのか、何をすればよいのかを図でわかりやすくみられることがロジックツリーの特徴です。
さきほど紹介した図では、「英語学習法」をテーマにロジックツリー展開した例です。考え方はひとそれぞれありますのでこれが正しいというわけではありませんがひとつの参考としてみてもらえればよいでしょう。

ここでは「英語学習法」を一番の上位概念におき、それを4つに展開しました。「リスニング能力を高める」、「スピーキング能力を高める」、「ライティング能力を高める」、「スピーキング能力を高める」の4つです。
英語を学習する方法がいくつもありますが、能力的にはこの4つに分類できます。それぞれの能力を高める学習方法を書き出すことで、自分の得意な分野、苦手な分野を把握し、それぞれに適した勉強法を取り入れる指標となります。
または、一番左側に「TOEICで700点を取る」といった目標を置いて、それに対する対策を右に展開していく、といったこともロジックツリーを使うと論理的に考えることができます。TOEIC SWテストのSはスピーキング、Wはライティングです。スコア目標に対し、右側に「スピーキング対策」と「ライティング対策」に展開し、今度は「スピーキング対策」についてできることを考えて展開していきます。

このようにロジックツリーを使えば、論理的な思考ができるので英語学習だけでなく、お仕事や日常で物事を考えるときにも使われるとよいでしょう。

この考え方を応用して、ご自身にあったかたちの英語の学習方法を発見してみてはいかがでしょうか。目先の学習方法に飛びついて勉強を開始するのではなく、じっくり考えてみて、自分にあった学習法を選べるかどうか。それが英語の学習を効率的にできるかどうかのポイントです。
実際にロジックツリーをパソコンで作りたい時にはテンプレートがあると便利です。次のサイトで紹介されているのでご興味のある方は参考にされて下さい。

フリーのロジックツリーテンプレート
http://blue-round.com/2007/12/62

今回は、リスニングの上達法と、リスニング学習が自分に向いているかどうか(英語の学習をする際に最初に取り組むべきものなのかどうか)判断するVAKの考え方、論理的思考を行うためのロジックツリーについて紹介しました。次回中級編では誰かが話している内容を一方的に聞き取るタイプのリスニングについての学習法を紹介します。